幼稚園 MMK (カトー研究室と協働)

感性を育む園舎

落ち着きのなかにも幼稚園らしい楽しさが感じられることを目指しました。玄関ホールの大きな吹き抜けを通して空の明るさや雲の動きを直に感じられることが特徴になっています。

工事について

建築工事は既存園舎を使い続けながらその真横に新園舎を建設する方法を取りました。工事中の作業性についても配慮しつつ、何十年間も使われ続ける園舎の理想形を追い求めることは決して簡単なことではありませんでしたが、教室やホール、廊下などの規模と形状を工夫し、最終的に全体を船のような外観形状に収めることでさまざまな課題の解決を図りました。

配置について

園舎は門扉横の既存のマリア様像と向かい合うような配置になっています。玄関と各教室は南に向き園舎内部はいつでも明るくなっています。 事務室と園長室からは園庭全体へと目配りでき、職員室は教材室などと隣接しながらどの教室にも移動しやすいよう中央に位置しています。祈りの部屋は玄関に近いものの一番静かで落ち着いた部屋になるよう配慮してあります。



遊戯室は体操教室などいろいろな催し物にも対応できるよう、十分な広さと高い天井高を確保してあります。遊戯室前の廊下は、遊戯室から一度に出てくる人の流れを受け止め、分散し、中央の階段付近まで人が滞留し混雑することがないようになっています。

広がりとまとまり

玄関ホールの先には上部に大きな吹き抜けのある広場があり天窓から光が降り注いでいます。この広場は運動会の練習、お遊戯のお披露目会など様々な行事に活用されています。天窓からの日差しが、季節ごと時刻ごとに広場の明るさと色調を変化させ、使う人の創造性を刺激し続けます。

素材と配色

内装材にはタモの無垢材や積層材、カバ厚板材のフリーリング材など本物の素材を使い、色使いも自然な色を中心としたことで落ち着きを感じられるようにしてあります。壁が自己主張しないことにより壁に飾られる園児達の工作作品がとても良く映え、幼稚園らしい賑やかさがいつ違う形で実現しています。

図書コーナーの上部には梁上の空間を活かしアフリカの大地を行進する動物たちが色鮮やかに飾られています。集成材の動物は設計者自らが製作し、造花を担当した造園会社と一緒に作り上げました。その他にも屋外の水飲み場は木々に降り注ぐ実りの雨や水辺に集まる鳥たちをイメージしたデザインにより遊び心豊かに園児達の創造性を触発することを目指しました。

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